Webマーケターのためのマーケティング入門
4章:空腹の人を探そう
(最終更新日:2022.10.30)
■空腹の人を探そう
「500円のカップラーメンを売るとしたらどこで売りますか?」
全てはこの質問に詰まっている。500円という高額のカップラーメンを売るには、当然
激安スーパーでは売れない。かといって、カップラーメンなので、高級スーパーでも売れない。
しかしながら、これが飛ぶように売れる場所がある。
3000M級の山の山頂である。
物やサービスを売るとしたら、お客さんがお腹を減らしている場所で売らないと駄目である。
つまり、売り場ではなく、買い場を見つけることが大事なのだ。何事も発想の転換である。
時間に関しても同じ。午後三時に大盛定食を販売しても売れない。
また、季節も大事である。夏に鍋焼きうどんをサジェストしても中々売れない。
食事のように、具体的に顧客の状況を想像すれば気がつくのに、他のサービスや物となるとこれを忘れてしまう人が多い。
お客さんがお腹が減っている時間と場所を探そう。まずは、そこからである。
食事以外の例を挙げると、例えばオンラインゲームのガチャがある。
これは上限が〇万円と決まっていて、月初めにリセットされる。つまり、月初めが一番伸びる。
ここで、レアカードを出やすくしたり、キャンペーンを打つのである。
もっと一般的な例でいえば、クリスマス商戦がある。
冬のボーナスと子供へのプレゼントが重なって、おもちゃが売れやすくなる。
ここでキャンペーンを打つのである。
このように常に顧客の状況を意識して、販売戦略を立てることが非常に重要だ。
■どうやって売る?
売り方も重要である。大企業であれば、販売サイト、決済、発送まで全て自前で準備してECで販売することが可能かもしれない。 そうすることで手数料を無くし、販売の利幅を最大化できる。 しかし、個人や中小企業でやる場合は厳しい。販売および決済はBASE、Amazonなどを使うということも多いだろう。 その際の手数料は大体10%前後である。外部に委託する部分が増えれば増えるほど、手数料は大きくなる。 そのため自社ECサイトを作成し、決済だけEC-CUBE等の外部サービスを使えば、手数料は5%程度で済む。 さらに、頻繁に決済を行わないような商品であれば、銀行振込にすることで手数料はゼロになる。
ただし、単純に自社で用意する部分を増やして、利幅を大きくしようとするやり方は薦められない。
顧客にとっては、BASEやAmazonの方がいつも見ているので目に留まるし、
既にクレジットカードを登録しているので、ショッピングが楽だ。こちらの方が、当然売れる数は多くなる。
また、支払において銀行振込は面倒だ。加えて、よく知られていない店だと、本当に商品が届くか不安になる。
信用がまだない場合は、代引きも決済の手段に加えた方がいい。
ここでも、顧客の状況を想像することが非常に大事なのだ。
全ては1章で話した顧客への価値伝達の式に詰まっている。
C = 4m + 3v + 2(i - f) -2a
m(モチベーション)を保ち、f(面倒)を無くし、a(不安材料)を減らすということが非常に重要なのである。
▼参考図書、サイト
「デジタルハリウッド、アクセス解析実践 2019年度冬期 Day5」
「デジタルで変わるマーケティング基礎」 宣伝会議編集部編
4Pの難所Placeに挑戦!どこで売るのが最適なのか? リコーのマーケティング支援