Web制作、Web開発の歩き方

Webマーケターのためのマーケティング入門

5章:Value Proposition Canvas

(最終更新日:2022.10.30)

■いきなり完成品を作らない

「これじゃなかった!!」
そうならないためにも、Minimum Viable Product(MVP)という言葉を知っておいて頂きたい。 実用最小限の製品を意味する言葉で、製品・サービスとしての作りこみをする前に、粗い状態でリリースすることを示す。 これによって受ける恩恵は以下の通りである。

  1. 製品・サービスとしての方向性を社内に示せる。作り手のモチベーションが保てる。
  2. 早い段階でリリースできる。顧客の反応を見ることができる。調整が効く。
  3. 芽がないと思ったときに辞められる。リスクが減らせる。

以上をまとめると、顧客にウケないリスクを減らし、早い段階でValue Proposition(顧客提供価値のマッチング)を計れるということである。 これにより、最適な商品を生み出すまでの時間とコストを節約できる。(Value Propositionに関しては以下の図を参考にしてほしい。 顧客の抱える悩みを減らしたり、楽しみを生み出すことで、顧客を喜ばせることである。 つまり、顧客の求めているものにハマることをValue Propositionという。)

バリュープロポジションキャンバス

Value Proposition Canvasの例

プログラミングを例にすれば、あるサービスをリリースする際に、はじめは「ノーコードツール」で粗粗に作り、 完成度が低いものを無料で楽しんでもらう。 そこでの反応、フィードバックを元にイケると踏んだ商品をピックアップする。 イケると踏んだ商品に対して、コーディングを通した本格的な作りこみを行い、正式な料金でリリースする。

ベンチャー企業がスモールスタートをする際によく使われる手段である。 もちろん、ある程度規模のある会社でも有効である。 また個人においても、自分が何か始めてみようと思ったら、小さくやってみることが重要である。

小さく始めるという手段は何事においても重要だ。 例えば、就職に関しても、無料でも良いので、興味のある業界の仕事を手伝わせてもらう。 そうすることで、その会社や業界の適性が計れる。小さく始めてみることは大きな失敗を防ぐのだ。

まずは提供してみよう

「何がハマるか分からない。まずは、手軽に提供してみよう。」

▼参考図書、サイト

 「入門 起業の科学」 田所 雅之 日経BP
 「ビジネスモデルの教科書」 Harvard Bussiness Review ダイヤモンド社
   MVP(Minimum Viable Product)とは?実践するメリットと検証方法  UX MILK
   「バリュー・プロポジション・キャンバス」について  フュージョン株式会社
   デザイン思考 5 つのステップ スタンフォード大学ハッソ・プラットナー・デザイン研究所