Web制作、Web開発の歩き方

Webマーケターのためのマーケティング入門

序章:マーケティングとは

(最終更新日:2022.10.30)

近年では、Webマーケティング、SNSマーケティング等と注目されることが多い。 しかしながら、マーケティングの根幹の部分は、どれも変わることはない。 なぜなら、マーケティングとは顧客行動を分析することであるからである。つまり、マーケティングとは

「人を知ることである」

歴史上、マーケティングの定義は様々なされてきた。

  1. 営業を不要にするもの(ピーター・ドラッカー)
  2. ニーズに応えて利益を上げること(フィリップ・コトラー)
  3. モノが売れる仕組みづくり
  4. 市場を開拓してお客様を創ること

上記以外にも様々な意見、解釈がある。 しかしながら、ここでは一旦マーケティングを「売上に関わる全ての活動」と定義しよう。 製品開発、広告宣伝、販路開拓、価格決定、全てマーケティング活動になる。 では、このマーケティングを行う上で何が大切か、最初に考えてみよう。 自分なりの解釈ではあるが、マーケティングは大きく二つに分けられると考えている。

  • 「状況把握と数値による分析」(ロジック)
  • 「お客様の気持ちになり、行動すること」(ハート)
クールヘッドとウォームハート

ロジック(左)ハート(右)の使い分けが大事

マーケティングは、このロジックとハートを使い分けることが極めて重要であると感じている。 実際、ワシが教わることができた数百人~数万人規模の会社(トヨタ、オリエンタルランド、エステー、Yappli等々)のCMO、マーケティング担当の方は、 全員この2つを使い分けていた。そして、その切り替えが異常に速かった。(トップマーケター共通の能力に思える)

冷静に問題を分解し数値化する話をしていたと思ったら、 急にエモーショナルな(この人たちは、きっとこういう気持ちで商品を購入したのだろうといった)話をする。 会社の役員に話をする際は、数値的なインパクト(1億円と100万円の仕事であれば1億円を優先する)で語ることをを必要とされ、 顧客に対してどうするかという部分はハートを使うことを必要とされていたからだろう。 彼らほど大きな責任がない我々に置いても、基本この2つの能力は必要となる。 店舗経営やECサイト運営などに置いても、この能力の使い分けは非常に有用だ。

例えば、貴方は化粧水販売のWeb担当者だとする。アクセス解析の結果から、以下のことが分かった。

  1. 全商品のコンバージョン率は20%
  2. 商品A単体のコンバージョン率は5%
  3. 商品Aを見ている平均時間が30秒で、他の商品(約60秒)の半分以下

Google Analytics等のWeb解析ツールでデータを取得し、整理すれば①~③のことが分かる。商品AのWebページに何か問題があることが分かる。 しかし、これだけでは何も解決しない。商品AのWebページがなぜ問題であるかは、お客様の気持ちになってページを見なければ分からない。 そしてどう改善すべきかも、お客様の気持ちにならなければ難しい。(例えば、商品Aだけ説明文が分かりにくい、色がキツイなど)

問題解決プロセスで分ければ、「何処が問題か」を洗い出すのはCool Head(ロジック)が必要で、 「何故買わないか」「どう寄り添えばいいか」はWarm Heart(ハート)が必要になる。 この二つを使いこなすことがマーケティングの本質だと考えている。ある程度慣れてくると数値だけ見て分かった気になってしまう。 しかし、本当に難しいのは「お客様の気持ちになること」だ。そしてこの部分が最も重要なのだ。 これが、マーケティングは心理学と言われる所以でもある。

問題解決プロセス: 「What→Where→Why→How」の順に問題を整理、対処すると解決しやすいと言われる。
What(重大な問題は何か?)、Where(何処が問題か?)は「Cool Head」を使う
Why(なぜ問題なのか?)、How(どうするのか?)は「Warm Heart」を使う

この部分を常に押さえておけば、「STP→4P」や「カスタマージャーニー」や「Web解析」等を勉強したとしても、 大きく的を外すことはないと思う。一歩ずつ成長できるはずである。

マーケティングをすることは、人を知ろうとすることなのだから。

■参考図書、サイト
「はじめてのロジカル問題解決」 渡辺パコ著 かんき出版
「デジタルで変わるマーケティング基礎」 宣伝会議編集部編
「マンガで分かるWebマーケティング 改訂版」 村上佳代著 インプレス
「愛するということ」 エーリッヒ・フロム著 紀伊国屋書店
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