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あの日見たタワマンの高さを僕達はまだ知らない(AI小説)

第7話 成功の原点へ(最終回)

(最終更新日:2023.03.24)

プログラミングの本
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1. 「綱渡り」

資金繰りを何とかしようと、銀行にも融資のお願いをし、何とか5000万円程借りることはできた。 加えて、守の株24%と舞子の株10%を大手商社に購入してもらうことで、追加で1億円まで調達することができた。 何とか1年は不渡りを出さないで済む財務状況に回復はしたが、先は見えない。綱渡りの経営が続くことを覚悟した。 オンラインの講義で授業を再開し、それらの接客も落ち着いたと思った束の間、更なる問題が生じた。 某暴露系Youtuberに社内会議の様子を流されてしまったのだ。 社内での強引な議論の進め方、アルバイトの解雇等、悪意のある切り抜き方により、会社のイメージは強烈にダウンした。 守はYoutubeやTwitterを駆使して弁明を行ったが、逆効果であった。 内容としては誇張が多かったものの、世間にはそれが事実のように受け取られた。 売上自体はそこまで減少しなかったが、会社の評判が落ちたことで、入学取消の電話やクレームの電話が増えた。 守も社員も疲弊しきっていた。これにより自発的に辞める人も増え、講師の手は次第に足りなくなっていた。

六本木の街並み

2. 「後始末」

1年後の2021年3月、今の財務状況と今後の経営計画を株主に話した。 再生の見込みが厳しいことから、次の1年で社長を後任にすることが内々で決定した。 負債の責任を負わない代わりに、極めて安い価格で残りの株を売却することになった。 加えて、1年間はCEOとして最低限会社を立て直すことになった。 敗戦処理とも言える作業の中、守は必死に悔しさと辛い業務に耐えた。人生で最も長い1年に感じた。

屈辱の一年

3.「成功の原点へ」

2022年3月、やっとの思いで任期を終え、ほとんど無一文の状態で、CEOを降りることになった。 住んでいたタワーマンションも追い出され、7年前に住んでいた田町の45000円のアパートに再び住むことになった。

2022年4月2日、コロナによる規制もひと段落し、土曜の代々木公園では多くの人がお花見を楽しんでいた。 守は日雇いの仕事の帰りで、そこから渋谷へ向かい歩いていた。ちょうど道玄坂上に差し掛かったところで、突然後ろから声を掛けられた。 その声は舞子だった。守より1年早く会社を辞めた舞子とは、1年2カ月振りの再会だった。 久しぶりに会った舞子に、守は1年間の辛かったことを全て話した。舞子はうなずき、ただ話を聴いてくれた。話が一区切りつくと 「これで貸し借りは無しね」といって舞子は守に500円を渡し、足早に立ち去った。 守はその500円を握りしめ、5年前に舞子と会った渋谷の松屋に入った。

「うまい。。。。」

5年振りに食べた「牛めし並盛卵付き」の味は「西麻布の高級レストランで食べるステーキ」や「六本木のバーで飲むドン・ペリニヨン」より美味かった。 そして、涙が止まらなかった。舞子のやさしさが心に染みた。

涙の牛丼


あの日見たタワマンの高さを僕達はまだ知らない ー完ー