Linux Essentials for Web Developers
第6話:パッケージ管理: ソフトウェアのインストールと管理
(最終更新日:2023.12.28)
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「パッケージ管理ツールでインストールを簡単に」
Linuxのパッケージ管理は、ソフトウェアのインストール、アップデート、依存関係の解決を容易にするシステムだ。
各ディストリビューションには専用のパッケージマネージャー(APT、YUM/DNF、Pacmanなど)があり、
これらはソフトウェアパッケージの自動インストールとアップデート、必要な依存関係の自動追跡を行う。
これにより、ユーザーは手動での複雑な依存関係の管理やアップデートプロセスから解放され、システムの維持管理が簡単かつ効率的になる。
今回は、Linuxのパッケージ管理ツールについて解説する。
1.パッケージマネージャーの使用方法
Linuxにおけるパッケージマネージャーは、ソフトウェアパッケージのインストール、更新、管理を簡単にするためのツールだ。 異なるLinuxディストリビューションはそれぞれ異なるパッケージマネージャーを使用している。 ここでは、最も一般的ないくつかのパッケージマネージャーの基本的な使用方法について説明する。
- ■APT (Advanced Package Tool):対応ディストリビューション(Debian、Ubuntu)
- インストール:sudo apt-get install [パッケージ名]
- リストの更新:sudo apt-get update (パッケージリストの更新)
- アップグレード:sudo apt-get upgrade (インストール済みパッケージのアップグレード)
- 削除::sudo apt-get remove [パッケージ名]
- 検索::apt-cache search [キーワード]
- ■YUM (Yellowdog Updater, Modified):対応ディストリビューション: Red Hat Enterprise Linux、CentOS、Fedora
- インストール:sudo yum install [パッケージ名]
- 更新:sudo yum update
- 削除:sudo yum remove [パッケージ名]
- 検索:yum search [キーワード]
他にも、DNF、Pacman、Zypperといったパッケージマネージャが存在するが、 まずはAPTとYUMだけ覚えておけばよいだろう。大体はDebian系かRedhat系になる。 ちなみに、YUMのYellowdogは、もともとYellow Dog Linuxの専用アップデータとして開発され、 後から拡張(Modified)されたため、この名がついた。 これらのパッケージマネージャーは、それぞれのディストリビューションのソフトウェア管理に不可欠だ。
パッケージで管理され、安全にインストールできる
2.依存関係とアップデート管理
Linuxにおけるパッケージ管理は、ソフトウェアのインストール、アップデート、依存関係の解決、および管理を簡素化する重要な機能だ。 ここでの「依存関係」とは、あるソフトウェアが正しく機能するために必要な他のソフトウェアやライブラリを指し、 パッケージマネージャーはこれらの依存関係を自動的に管理する。
- ■依存関係の管理
- 自動解決: パッケージマネージャーは、特定のソフトウェアをインストールする際に、そのソフトウェアが依存している他のパッケージを特定し、 必要に応じてこれらを自動的にインストールする。
- 依存関係の連鎖: 一つのパッケージが他のパッケージに依存している場合、その依存するパッケージもまた他のパッケージに依存していることがあり、 パッケージマネージャーはこのような依存関係の連鎖を管理する。
- ■アップデート管理
- 定期的な更新: パッケージマネージャーを使用すると、システムにインストールされているすべてのパッケージを簡単に更新できる。 これにより、セキュリティ修正、バグ修正、機能改善が含まれる新しいバージョンに常にアップデートできる。
- 一括アップデート: 多くのパッケージマネージャーは、システム上のすべてのパッケージを一括でアップデートする機能を有する。
一般的なパッケージマネージャの使用方法は1の項目で挙げた通りで、 これらのパッケージマネージャーは、ソフトウェアのインストール、アップデート、依存関係の管理を自動化し、Linuxシステムの維持管理を大幅に簡単にする。 依存関係の自動管理は特に重要で、これによりユーザーは依存関係を手動で追跡する必要がなくなり、システムの整合性と安定性を保つことができる。
料理に決まった組み合わせがあるように
パッケージマネージャは使える組み合わせを管理してくれる
3.まとめ
今回はLinuxのパッケージマネージャについて解説した。 どんなソフトウェアにも、依存関係というものが存在し、それらがバージョンも併せてかみ合わないと、上手く動作できない。 パッケージマネージャのinstall、updateとupgrade機能を用いれば、自動的に依存関係を管理してインストール、アップデートしてくれる。 手動でこれらの管理をすることは、非常に大きな手間がかかり、通常業務においてはありえない。 ぜひ、パッケージマネージャの自動管理を使って、安定にシステムを構築していこう。
▼参考図書、サイト
「スーパーユーザーなら知っておくべきLinuxシステムの仕組み」 インプレス Brian Ward, 柴田 芳樹
「Linux再入門―カーネル、シェル、ファイルといった基本概念を理解してトラブルシューティング力を高めよう」 Udemy しま